2012年10月23日

ドコモ2012年冬モデル内覧会 in Tokyoに行ってきた Part 1


今冬の富士通携帯電話はどうかなー?

今シーズンも、「ドコモ養分・信者向け内覧会」こと、ドコモプレミアクラブの「プレミアステージ」会員およびDCMX(ドコモのクレジットカード)会員限定の新商品内覧会が行われています。東京会場は既に終了していて、今週末には名古屋・大阪で開催されます。

個人的には、メインのドコモ回線は契約から10年以上経っており、無条件でこの内覧会に参加できます(※1)し、もうそれこそ、毎日行く気満々だった(※2)のですが、以前参加した富士通主催の「ケータイ会議」を手がけている「百式」の田口さんから、「You、内覧会来ない? 久々に集まるよ!!」(脚色あり)というお誘いもあり、ケータイ会議メンバーの皆さんに会うべく、行ってきました。

富士通携帯電話フリークとしては、まず富士通から出る4機種をきちんとチェックするべきでしょう。ということで、このエントリーでは、富士通4機種の感想等々を書いていこうかと。恐らくケータイ会議の中ではマニアック担当だと思うので、ちょっと長めにマニアックな感じで書きますが、お付き合いください。

(富士通端末以外は別記事で書く予定です。)

■F-01E(NTTドコモ / 富士通)

F-04Dをリファイン!!

普段から、スマートフォンよりiモードケータイ(フィーチャーフォン)の方が「スマート」である、と主張している自分としては、まずはiモードケータイをチェックしなければいけません。ということで、まずは"F-01E"をご紹介です。富士通のE型番の第1号をスマホではなく、iモードケータイに持ってきてくれたことに妙に感動してしまいたいところですが、実際のところは富士通のドコモ向け冬モデル第1号になる予定だからそうなっているだけですw

F-01Eのキャッチコピーは「強さも美しさも兼ね備えたハイスペックスーパースリム防水」。その名の通り、各メーカーから投入された今冬のiモードケータイの中では一番仕様が充実しています。富士通のハイスペック携帯電話の象徴である指紋センサーはもちろんのこと、無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth(Ver.2.1+EDR)、1310万画素の裏面照射式CMOSカメラ…などなど、そのキャッチコピーに似つかわしい装備満載です。それでいて、重さは約110gと軽めです。

実際持って使ってみると、普段使っているiモードケータイ(F-02D)がいろいろな意味で「重ため」なせいもあるかもしれませんが、F-01Eのいろいろな面での軽快さが際立ちます「やっぱり電話としてはケータイの方が『スマート』だよなぁ」と再確認できました。

ちなみに、富士通携帯電話フリークの方はピンと来るかもしれませんが、この機種は昨冬モデルであるF-04D(NTTドコモ / 富士通)のリファインモデルとも言えます。ハードウェア的には筐体デザイン・素材の一部変更とそれに伴う重量の変更、ソフトウェア的にはドコモ謹製のFacebookアプリがプリインストールになったこと以外はF-04Dと同様です。ということは、自分がF-02DからF-01Eに買い換えると事実上スペックダウンしてしまうことになります…orz CPUぐらいは若干増速してもよかったかなー、とか思うんですけど、iモードケータイに処理能力を求めるような時代では無いのかなー、とか時代の趨勢に対して複雑な気分になるところです。

あ、ちなみに、iモードケータイ、富士通・シャープのプラットフォームは昨冬刷新されてるんですけど、気づいてました…? それすら気づかれない時代だなんて(


■ARROWS V F-04E(NTTドコモ / 富士通)

F-10Dと並べて思う「なんで最初からそうしなかった…」感と言ったらもう(

富士通が昨冬からスマートフォン・タブレットのブランドとして"ARROWS"(アローズ)を使い始めて以来、ドコモ向けのフラグシップモデルを買いつないでいる自分としては、今冬のフラグシップモデルである"ARROWS V F-04E"もチェックせざるを得ません。どう考えても、今冬のドコモ向けフラグシップモデルなのですが、通常よりもターゲットをより広く設定したためか、NEXTシリーズではなくwithシリーズにカテゴライズされ、ドコモ向けフラグシップモデルに付く"ARROWS X"の名前も冠していません

ARROWSのドコモ向けフラグシップモデルというと、競合モデルと比べたときの目を見張るほどのハイスペック・多機能っぷりによって人気を集める反面、実使用面でかなり由々しき問題を抱えてしまうという「陰と陽」、あるいは「光と影」という表現が似つかわしい、何とも悩ましい歴史を持っています。例えば…

ARROWS X LTE F-05D(当時としては)ハイスペックな割にスリムだけど、バッテリーが致命的に持たない。指紋センサーなんでないの?
ARROWS X F-10D指紋センサー付いてCPUコアもクアッドだけど、なんでこんなに熱いの? バッテリー容量増やしたはずなのにもっとバッテリーが持たない!!

と言った感じです。今にして思うと、何だかんだで初代のドコモ向けフラグシップであるF-05DがARROWSフラグシップの中では(au向けも含めて)最高傑作なんじゃないか、と思ってしまうほどです。


並べて感じる「帰ってきたF-05D」感

デザイン的には「帰ってきたF-05D」という言葉が強くあてはまるぐらいに、F-05Dとそっくりです。思えば、富士通はフラグシップモデルは原則1年周期で「キープコンセプト」だったのです。ARROWSブランドが始まって約1年経過して、昨冬モデルのデザインテイストを継承した今冬モデルが出た、って考えれば自然なのかもしれません。

CPUはF-10Dと同じくNVIDIA製のクアッドコア(厳密には5コア)な"Tegra 3"(最大1.5GHz駆動)です。F-10Dが「熱く」て「電池が持たない」最大の元凶がこれだった訳です。内覧会の説明員コーナーを観察していても、「何でまたTegra 3なんて使っちゃったんですか?」とか、「発熱は大丈夫なんですか?」とか、「電池を持ちは大丈夫ですか?」とか、結構ネガティブな質問が参加者から容赦なく浴びせられていたほどです(※3)。かくいう自分も、内覧会で最初にした質問は「熱くなりませんか?」だったくらいですw

富士通の中の人は、F-10Dや、兄弟機であるau向けの"ARROWS Z ISW13F"で寄せられた意見について相当参ったようで、ARROWS VではCPU制御プログラムの刷新と、筐体の放熱構造の改善(放熱シートの組み込み)の2点で改善に努めたとのことです。

冒頭にも書いたとおり、Tegra 3は実際は5コアCPUで、メインの4コアとは別に、軽微な処理を専門的に担う「コンパニオンコア」が用意されています。F-10DやISW13Fでは、システムの負荷とコンパニオンコアを含めたコア制御のバランスが取り切れておらず、結果として発熱がものすごくなって機能制限がかかったり、バッテリーの減りが相当激しくなったり…。ARROWS Vでは、コンパニオンコアをもっと積極的に使うようにしたり、システム負荷に対するコア制御をより精密に行えるようにしたりするプログラム改善をしたそうです。放熱構造の改善では、特に発熱しやすい部位に放熱シートを効果的に組み込んだそうです。

その結果か分かりませんが、充電しながら通信しまくっても、急激に熱くなることはなくなりましたし、それに伴う機能制限も起こりにくくなっていました。さすがに、クアッドコアとグラフィックコアを同時にグイグイ使うようなゲームアプリでは相当発熱してしまうのですが、それ以外の局面での発熱はもう気にしなくていいのかな、という感じです。

バッテリー持ちに関しては、上述のCPU制御プログラムの改善以外にも、2420mAhの大容量バッテリー搭載、というある意味力業も使ったおかげで改善された印象が結構強くあります。ただ、バッテリーの容量アップは充電にかかる時間の増加にもつながります。そこで、ARROWS Vでは、「急速充電」機能を重視しました。急速充電対応のACアダプタを使うことで、通常よりも高速に充電ができます。なお、急速充電は、バッテリー寿命を縮めるというデメリットもあります。バッテリー寿命を重視する場合は、無効にすることもできます。


何気に便利なコピペ辞書

ソフトウェアも、色々と機能強化されていますが、個人的に一番グッときたのが、コピペ辞書機能(正式な機能名は聞き忘れましたorz)。ブラウザなどでコピペをしようとすると、選択範囲の単語の意味を表示してくれる便利な機能です。文字列の上でロングタップして範囲選択する、という普通のコピペ操作で呼び出せるのは良いですね!


■ARROWS Kiss F-03E(NTTドコモ / 富士通)

くーまんもいるんでふよ!

女性にターゲットを絞った"ARROWS Kiss"シリーズ。その最新作が"ARROWS Kiss F-03E"です。

ARROWS Kissと言うと、派生モデルも含めてスペックが控えめであることが多かったんですが、F-03Eでは、「ハイスペックをこのSweetデザインに。美スマートフォン」というキャッチコピー通り、ハイスペック寄りな構成になっています。特に初代ARROWS Kissはスペックを抑えすぎてしまって、特に内蔵ストレージ面で悩んでいたユーザーも少なくなかったように記憶しています


スマート指紋センサーも付いてますよ

システムメモリーは1GB、内蔵ストレージは8GBと、本当のハイスペックスマホが林立する中では、「ふつう」か、「やや少なめ」な内蔵ストレージに見えますが、今までのARROWS Kissを考えると、ようやくデコメや写真を貯めまくっても問題のない容量になった印象です。これとは別に16GBのmicroSDHCカードが試供品として添付されますし、取り替えれば最大で64GBのmicroSDXCカードに対応できるので、容量不足に悩むことも基本的にはなくなりそうです。

ハイスペックモデルの象徴である指紋センサーも、スイッチ付きの「スマート指紋センサー」として付いています押し込むことで、スリープとその解除ができて、ロック解除の認証にも使えて、非常に便利です。ただし、ほかの機種のスマート指紋センサー付きスマホと比較すると、ターゲット層を考慮し、機能の複雑化を避けるために一部機能を省略しています(milock[マイロック]など)。


「おくだけ充電」(Qi)の充電台は横置きにベストな形状に!

F-03Eは"Qi"(チー)規格に準拠した非接触充電機能「おくだけ充電」に対応しています。F-10Dと同様にバッテリー側で対応しているので、別途バッテリーを買えば非接触充電できます。

注目は、F-03Eに付いているQiの充電台。何と、本体の形状に合わせて、横置きできるようになっているのですよ。富士通の充電台、というとiモードケータイもスマートフォンも横置きで利用する事をガン無視だった訳ですが(旧東芝時代から開発が進んでいたT-01Cは別)、ここに来て横置きのことを考えてくれたことに感動ですw おかげで、モバキャス(NOTTV)・ワンセグ視聴やホームネットワークでの動画再生が非常に快適になります


Blush PinkはJILLSTUARTコラボモデルです

ARROWS Kissは派生モデルとしてコラボモデルを出してきましたが、F-03Eでは、カラーバリエーションのひとつがコラボモデルとなっています。それがBlush Pink(ブラッシュピンク)。女性向けコスメブランドである"JILLSTUART"(ジル スチュアート)とのコラボで、添付品や内蔵コンテンツが他2色とは異なります。通常バリエーションの中でのコラボモデルであるため、特に限定販売数を定めず販売するそうで、価格差も「5000円以内に収まる程度」だそうです。

F-03Eはターゲット的を考慮して「ハイスペック」を謳っているものの、そこまでハイスペック臭を感じさせないのが今までの富士通のハイスペックモデルとの違いなのかな、と思います。実は、ヒューマンセントリックテクノロジーは、一部、ARROWS Vより新しいですし。どこが新しいのかは、あえて語りませんので、FMWORLDでの両者の製品情報ページを比較してみてください。特に、通話機能を重視するなら、F-03Eの方が恐らく良いですよ。


■ARROWS Tab F-05E(NTTドコモ / 富士通)

フルHD(プラスアルファな)液晶を搭載した2代目ARROWS Tab

最後は、Androidタブレットである"ARROWS Tab F-05E"。Androidを搭載するARROWS Tabの第2世代です。

何と言っても、その最大の特徴は1920×1200ドットの10インチ液晶。フルHDよりも120ドットも多い液晶になっています。YouTube HDにも対応していて、オンラインのフルHD動画も実解像度で見れますし、DLNAプレーヤー(DiXiM Player)を利用して、ホームネットワーク上の動画も見ることができます。音声は、Blu-ray Discで標準採用されているDolby Digital PLUSにも対応しています。搭載されているスピーカーもステレオで、みんなで囲んで映画鑑賞、っていう用途にも良いかもしれません。

バッテリーは10080mAhと、もう信じられないくらいの大容量。純正の卓上ホルダとACアダプタを組み合わせると超急速充電も可能です。本体正面には、スマート指紋センサーも付いたので、認証面でも便利になりました


色んなユーザーで使うことを前提にしているのは相変わらずです

先代のARROWS Tabもそうでしたが、家族で使うことを前提にして、ホームスクリーンのテーマ切り替え機能が付いています。キッズテーマではアプリの利用制限をかけることもできます(起動禁止だけではなく、終了禁止もできます)。


と、いうことで、今冬の富士通のドコモ向け機種を4つ紹介しました。どの機種も、機種ごとに魅力があるのはさすがだな、と。ここで、気になるのは、F-02Eがないことです。一体どこへ消えてしまったんでしょうか…? (チラチラ


富士通のARROWS情報サイト「ARROWS@」(アローズ・アット)では、ほかのケータイ会議メンバーの内覧会レポートも掲載されています。自分とは全然違う視点が満載です。是非、併せてご覧ください!!



(※1) ドコモプレミアクラブでは、10年超の契約を持っていると自動的に「プレミアステージ」会員です。
(※2) 最終日は、諸般の事情で行けませんでしたorz
(※3) 参加条件が参加条件だけに、結構コアなユーザーも集まるんですよ。ええ。


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この記事へのコメント
自分も内覧会で触ってきました。

フリーコーナー見たらARROWS Vはあまり人が居なかったですね。
しかし、説明員の話を聞きながら操作してみたら発熱してました(汗)

それにGoogleマップが強制終了してしまいました・・・

ちょっと心配ですね・・・
Posted by FT86好き at 2012年10月24日 13:40
>>FT86好きさん
そうですね。ARROWS Vに関しては、特に説明員コーナーに並んで、フリーコーナーがガラガラっていう傾向でしたね…w

発熱に関しては、どんなアプリが起動したか、ってところにもよるので、一概には言えないですよねぇ。
Google Mapsの強制終了も、アプリのせいなのか端末のせいなのか、判別が付かないですし。
Posted by せうせう at 2012年10月24日 13:43
こんばんは。ドコモ2012冬モデル内覧会富士通編、楽しく読ませていただきました。
F-01Eのようなフィーチャーフォンを出してくれることにありがたみを感じます。
欲を言うならば、カラーはレッド、ブラックのほかにもホワイトを出してほしかったなと思います。
Posted by ラテ at 2012年10月24日 20:16
濃いレビューありがとうございます!

ブラウザでの文字選択で内蔵辞書の検索結果が表示されるのは
富士通のサイトによると「すぐ辞書」というみたいですね。
Posted by Tom Cook at 2012年10月25日 10:42
>>ラテさん
そうですね。iモードケータイもそこそこ出してくれるだけ嬉しいですよねぇ。

>>Tom Cookさん
ありがとうございます! 「すぐ辞書」なんですか。シンプルで良い名前ですw
Posted by せうせう at 2012年10月26日 13:33
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