2019年12月01日

東海道線の新駅「羽沢横浜国大駅」について


東海道線の新駅です!!!!!(数ヶ月間だけ)

11月30日、相模鉄道(相鉄)の新線「新横浜線」が西谷(にしや)~羽沢横浜国大間で部分開業しました。羽沢横浜国大駅では、JR東日本と接続し、東海道線(貨物線)、東海道線支線(通称「品鶴線」)、山手線貨物線を介して通称「埼京線」に直通します。

羽沢横浜国大駅は相鉄が管理する駅ですが、実は東海道線の新駅でもあります。

■運賃ルール上は「鶴見駅で分岐する東海道線の支線」という扱い

運賃上は鶴見駅で分岐しますが止まりません

JR側からみた羽沢横浜国大駅は、鶴見駅で分岐する東海道線の支線という扱いです。

新宿駅から羽沢横浜国大駅方面の列車に乗車した場合、大崎駅を出発後「大崎支線」に入り、品鶴線を走り、武蔵小杉を出てすぐの所で東海道線貨物線に入ります。貨物線はしばらく品鶴線と併走し、鶴見駅を通過。そこからちょっと走ると、貨物駅である「横浜羽沢駅」方面に分かれます。横浜羽沢駅付近で相鉄新横浜線への連絡線に入り、羽沢横浜国大駅に至ります。

鶴見駅は東海道線の採時基準(停車はしないが通過時刻が設定されている)となっているため、運賃分岐駅としてもちょうど良い……のですが、通称「京浜東北線」以外の東海道線所属の各線にはホームがありません。簡単にいえば羽沢横浜国大駅に向かう電車は通過してしまいます。

■JRの近距離(片道100km以内)乗車券は普通に買えます


JRの駅なので100km以内の切符は普通に買えます



羽沢横浜国大駅は東海道線の駅でもあるので、同駅から片道100km以内のJR線の近距離切符は普通に券売機で買えます。運賃表をよく見れば分かりますが、同駅から鶴見駅接続で100km以内にあるJR他社(JR東海御殿場線)の駅の切符も対象です。

ただし、東京地下鉄(東京メトロ)が管理する常磐線の綾瀬駅とは異なり、羽沢横浜国大駅では相鉄が設置した自動券売機でJRの切符(普通乗車券)を発売しています。切符の地紋がちょっと違う、JR東日本の近距離乗車券を買えるということですw

■片道100km超の乗車券や指定席券などは買えません(※)


長距離乗車券の「横浜市内」適用駅です


羽沢横浜国大駅には指定席券売機を含むマルス(旅客販売総合システム)端末も設置されていないので、片道100km超のJR乗車券や特急券、その他の特殊なきっぷは購入できません(これは綾瀬駅も同様)。ただし、他のJR駅(JR東日本以外のJR旅客会社を含む)に設置されているマルス端末では、羽沢横浜国大駅を発着駅とする乗車券を発券できます

ちなみに、羽沢横浜国大駅は長距離乗車券における「横浜市内」に含まれます。横浜駅から(まで)片道200km超の普通乗車券を購入すれば、羽沢横浜国大駅で乗降できます(ただし横浜市内の指定を受ける駅での途中下車はできません)。

■武蔵小杉駅より先に行くと運賃が安くなる?(特例です)



なぜか隣駅(武蔵小杉駅)よりも安くなる遠い駅(赤枠で囲った駅)

先ほどの近距離運賃表を見ると「あれ?」と思う所があります。運転上の隣駅となる武蔵小杉駅よりも遠くに行った方が運賃が安い場合があるのです。

理由は簡単。先に言った通り、羽沢横浜国大駅発着の列車は、運賃上の分岐駅である鶴見駅で乗降できないため、一部の「区間外乗車」を無賃で行える(運賃計算上の距離に含めない)特例を認めているのです。


羽沢横浜国大駅に関連する区間外乗車の特例(JR東日本の旅客輸送約款から引用)

羽沢横浜国大駅が関連する区間外乗車の特例は3つあります。ちょっと約款上の書き方だと分かりづらいので簡単に書くと、こんな感じです(逆方向も同様)。

・横浜以遠の駅(東海道線・根岸線の下り方面)から羽沢横浜国大駅に向かう場合(鶴見~武蔵小杉間の折り返し乗車は運賃計算に含めない)

・新川崎駅から羽沢横浜国大駅間に向かう場合(新川崎~武蔵小杉間の折り返し乗車は運賃計算に含めない)

・東神奈川~鶴見間、川崎以遠の駅(東海道線・南武線の上り方面)、大口以遠の駅(横浜線各駅)、国道以遠の駅(鶴見線各駅)から羽沢横浜国
大駅に向かう場合(鶴見~横浜間+横浜~武蔵小杉間の折り返し乗車は運賃計算に含めない)

なお、これらの特例を使う場合、その乗車券が途中下車可能なものでも特例適用区間(=運賃計算に含めない駅)では途中下車できません(指定区間内の乗降が自由な企画乗車券を除く)。

ということで、皆さん“相鉄新横浜線の駅”として羽沢横浜国大駅を見ているので、あえて東海道線の新駅として見てみました()


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Posted by せう at 22:20│Comments(0)鉄道
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