2011年05月18日

第2回大和魂ミーティングレポートその1


右からThinkPad X1、ThinkPad T420s、MacBook Air(13インチ)


昨日、レノボ・ジャパン主催のThinkPadファンの集い「大和魂ミーティング」の第2回が開催されました。ThinkPadユーザーとアフィリエイター(Valuecommerceでレノボ・ジャパンの商品を扱っているアフィリエイトプログラムに参加しているブロガー)などが招待されました。当日の模様はUstreamで中継されたので見た方も多いと思います。

自分は当然(?)、ユーザー枠で参加してきました。昨日と言えば、ThinkPadの新モデルであるThinkPad X1の発表があったり、新しいコミュニケーションキャンペーンである"DO."(FOR THOSE WHO DO.)が日本では7月から展開されると発表されたりしました。

本当は、一気にレポートを書き上げたいところですが、時間の都合で、数回に分けて書いていきます。今回は、目玉のThinkPad X1ではなく、何故か会場にあったMacBook Airの13インチモデルについて。このMacBook Air、レノボ・ジャパンが用意したんです。何故MacBook AirがThinkPad信者の集まりに登場したのでしょうか...?

(5月22日 修正・加筆しました。)

もしかすると、ThinkPad X1とMacBook Air(MBA)を比較しよう、という意図で置いたんじゃないか、と思われる方がいるかもしれませんが、そうではありません。X1の「先代」にあたるThinkPad X300では、"Pursuit of Perfection"(完全の追求者)として、光学ドライブや色々インターフェイスを搭載しているのに、MBAと同じく封筒に入るよ、というデモをやっていましたが...

MBAとの比較対象は、何とThinkPad T420s。サイズやフォームファクターが全然違う2機種の何を比較するのでしょう。それは、起動時間

現世代のMacBook Airと言えば、爆速SSDと、それに最適化されたSnow Leopardによって起動時間がめちゃくちゃ短いということで有名です。Rapid Boot Extremeを採用した(※)T420sを並べて起動速度を比較しよう、という訳です。ソフトはそれぞれに同じようなもの(Skypeなど)を入れてある状態です。その模様は、下の動画で確認してください。



どちらも起動はやいんですが、注目するべきはハードウェア構成。比較的シンプルなハードウェア構成のMBAに対して、T420sは、起動を遅延させる、非常に大きな要素となるハードウェア(指紋認証センサー、Gigabit Ethernet、光学ドライブなど)をてんこ盛りにしている点が違うのです。

T420sの起動時間がハードウェア構成の割にMBAとあまり変わらない秘訣。それは、Lenovoが取り組んでいるWindows 7 Enhanced Experience 2.0(Lenovo EE 2.0)です。詳しい日本語の説明記事はASCII.jpにありますが...

・ BIOSをUEFIに置き換えた
今までのThinkPadのようにPOST(Power On Self Test)画面が出ないことは非常に寂しいのですが、Lenovo EE 2.0対応マシンの一部では、ファームウェアが従来のBIOSからUEFI(EFI)と呼ばれているものに置き換わっています。EFIに関する詳細は、以前にこのブログで書いていますので、是非検索してください。Windows Vistaと7は新しいファームウェアであるEFIでの起動に対応しています。UEFIを利用することで、POST時間が非常に短縮することができます。なお、IntelプラットフォームのMacも、UEFIを利用して起動の高速化に一役買っています。なお、ThinkPadのUEFIにはBIOS互換レイヤーが搭載されているので、起動にBIOSが必要なWindows XPも大丈夫です(まあ、Lenovo EE 2.0は当然非対応ですが...)

・動的な起動プロセスの管理
Lenovo EE 2.0では、Windows 7の起動が常に監視されていて、OSの起動・利用に必要最低限必要なデバイスドライバーとソフトウェア以外を遅延処理とすることで、見た目上の起動速度を向上しています。以前のLenovo EEでは、OSインストールイメージの機種別最適化を行っていましたが、出荷状態以降にインストールされたソフトウェアなどは「想定外」でした。2.0では起動監視をすることでソフトウェア構成が変わっても起動時間を短縮できるようにしています。

・ より高速なSSDをストレージとして採用する
SSDは、アクセススピードが一般的にハードディスクより優れています。Windows 7はSSDにインストールすると、起動をより高速化するようになっています。Lenovo EE 2.0を採用するThinkPadで、SSDまたはRapid Drive(SSDとハードディスクの両方を搭載したモデル)の構成になっていると、起動パフォーマンスがさらに向上します。

このT420sは、上記の対策を施したものだったのです。

最近は、ThinkPadや、MacBook Airに限らず、パソコンの起動速度を短縮しよう、という動きがものすごく盛んです。LenovoはWindows PCメーカーでは早くからこの取り組みをしてきました。ライバルが増えていく中で、「先行者」であることのメリットを誇り続けることができるかが、注目です。

(※)Rapid Boot Extremeは、内蔵SSDをより高速なIntel製にしたものです。この構成を選べるT420sは、今のところ日本では購入不可能です。

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Posted by せう at 12:10│Comments(0)ThinkPad
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